| 2009 |
| 08,20 |
«日和→復活»
世界の壁を壊してみよう第三弾。原稿の息抜きがてら買いてみた。
日和の天国組と骸です。
当然、捏造しまくり。六道の考えとかてきとーです。
なんか長くなったので、たたんどきます。
日和の天国組と骸です。
当然、捏造しまくり。六道の考えとかてきとーです。
なんか長くなったので、たたんどきます。
今日で何回目かのはしごを下る背中を見送る。首を回せば、ぱきぱきと音が鳴った。今日は妙に地獄行きの死者が多い。
「あぁんもう疲れたー。セーラー分が!セーラー分が足りないよぅ!」
「なんですか、セーラー分って……」
子供のようにうなだれる上司に思わず呆れてしまう。このセーラー野郎が。
「セーラー分は。ビタミンCと同じくらい体に大切な養分で……っひぃ!」
さっきまでの顔から打って変わって生き生きと語りだす。その笑顔がムカついたので爪を伸ばすと静かになった。よし。
「はい、次のかたー」
馬鹿イカ大王に書類を渡して、次の死者を呼ぶ。できればここら辺で善人に来てほしいところだ。日に何度も地獄行きを見送るのは、なかなか精神的に疲れるものがある。
「あれ……?」
書類を見たイカの呟きにどうしましたと声をかけようとした瞬間、扉を開けて死者が入ってきた。入ってきたのは若い男で、特徴的な髪型だが中々整った顔をしている。
尻尾のように伸びた髪と、まるで自らの喪服のように黒い服のせいで、どこか黒猫のような印象を受けた。
だが、その第一印象は彼がこちらに視線を向けた瞬間に上塗りされる。湖のように沈んだ青の瞳は美しい。しかしそれ以上に彼の右目から目を離せなかった。血のように赤いその瞳は、大王と同じものだ。
(めずらしいな、赤い眼なんて)
そう、思った瞬間、大王が叫んだ。
「あーーーっ!やっぱり骸くんだ。おひさー」
「ええ、久しぶりですね。閻魔」
にっこにっこと笑って手を振る大王にも驚いたが、久しぶりと微笑む彼にも驚きを隠せない。
だって有りえない。
輪廻のたびにそれ以前の記憶は消えるのだ。だからなんど魂が巡ろうとも、死者は閻魔を覚えていない。いつだって『はじめまして』のはずなのに。
「今度の生はどうだった?」
「……まぁ、悪くありませんでしたよ」
「ふふーん?珍しいね!骸くんがそう言うなんて!」
一人困惑する鬼男を残して、二人はまるで長年の友のように笑い合っている。
(なんなんだろう、この二人)
じっと、特に骸と呼ばれた男のほうを見つめていると、ばしりと目が合った。
(う、わ)
「そういえば、秘書の人変わったんですね」
「あ、うん!そうなんだ。前の秘書には逃げられちゃってねー」
あはは、なんて笑っているが、結構大変だったらしい。ちなみに逃げた原因は制服の強要らしいから情けない。
顔を引きつらせていると、男が一瞬同情するような目で、
「しっかし、あいかわらず色気のない制服ですね」
……見たような気がしたけど気のせいだった。
「でしょー?セーラーとかセーラーとかセーラーに変えたいんだけど、駄目って言うのー」
「ああ、セーラー服もいいですよねぇ。でも僕としては学ランも捨てがたいです」
「あーそれもいいなー。いや、でも俺はセーラーの貴公子として…・・・」
和気藹々と制服談義をする野郎二人をみて俺は再び思った。
(なんなんだろう、この二人っ……!!)
あれか、要するに変態の友は変態ということだろうか。類は友を呼ぶんだろうか。
「だ・い・お・う?」
シャキーンと爪を伸ばせば、顔を青くして変態イカが黙った。そしてどもりながら裁きを下す。
「えっと、じゃあ次は地獄道だっけ?」
「ええ、それでは僕はもう行きますね」
そう言うなり、男は勝手に地獄へのはしごへと向かってしまった。
「えっちょっ……!?」
「うん、またねー」
しかしそれに焦る様子もなく、大王はひらひらと手を振って見送ってしまう。
男が去って、沈黙だけが部屋に残った。
今の死者は一体なんだったのだろう。
「大王、今の人は……」
「彼は、六道骸。六道輪廻を巡り続けることを定められた咎人だよ」
「え……?」
呆然とした僕に、静かな声が降る。
「決して救われることなく、生き続け死に続ける。忘却の泉に浸かることも許されずにすべてを抱えて在り続ける。永遠に終わらぬ輪廻。それが、彼に与えられた罰だ」
「それほどの罪って……」
どんな重い罪を犯したところで、普通は一度地獄をくぐれば終わる。永劫と思える刑でさえ、けして永遠ではないのだ。
この地獄に終身刑はない。
ならば、永遠を強いられる彼の罪とは一体どれほどのものなのだろう。
「骸くんはね、この世界で最初の人殺しだよ。最初の死者を出したことこそが彼の罪だ」
大王の言葉に息が詰まった。だって最初の死者って……。
「ああ、でもセーラーもいいけど、骸くんの言うとおり学ランもいいよねぇ。鬼男くん、やっぱり制服変えよう!学ランでもいいから!!ねっ」
「………」
俺は何にも言えなかった。だってそう言って、まるでなんでもないように。いつものように笑うから。
最初の死者、冥府の王は。
オニオン視点です。鬼男くんの一人称わかんね。
途中、閻魔の口調が白蘭に思えてきた。骸と閻魔は制服同盟!!
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